DATA 物件情報
- 階 数
- 2階
- 敷地面積
- 51.58坪
- 延床面積
- 60.44坪
- 完成日
- 2009年03月
正直申しますと初めて現場を確認した時はどうやって設計しようか、どんな家が建つのか全くイメージできませんでした。それが何度も現地へ行って、午前中に現場を見て前の家の影を確認し、夕方に現場を見て地平線に落ちる太陽を確認し、だんだんとイメージがわいてまいりました。
敷地が四角くないので、設計した建物が万が一敷地内に入り切らない事を考え、現地で地縄をはって何度も確認しました。特に大変だったのはベランタの南西の角の所です。鉄筋とビニールテープで建物の配置の確認をしていると雨に降られたり、日が暮れてしまった事もありました。でも苦労したかいあってこんなに素晴らしい住宅になりました。
温かく笑いの絶えない三宅様ご家族をイメージしながら設計をしましたが、その甲斐あってか、お嬢様が「ただいま~」と帰ってこられる姿を思い浮かべながら玄関ドアを選んで頂けた事と思います。又、奥様がキッチンに立たれて料理をされ「ごはんよ~」と皆様を呼ばれる声が今にも聞こえてきそうです。そして、お風呂に入られたご主人様が「あ~極楽極楽」といって湯舟につかられるのが目に浮かびます。休みの日には1階の音楽室でファミリーコンサートをされるのでしょうね。こんなにあたたかいご家族皆様の家づくりのお手伝いが出来たと思うと何だか私も胸が熱くなります。
ショールームヘも何度も足を運んで頂き、休みという休みをほとんど私共とのお打合せにお使い頂きました。ヤマハにはユニットバスを見に行き、タカラにはあの大きな洗面化粧台を、キッチンには輸入キッチンのエムズファクトリーヘ、そして外壁のニチハ、壁紙のサンゲツ、照明のバナソニックと沢山の時間をかけて頂きました。だからこそこんなクオリティーの高い、すばらしい住宅を完成させる事ができました。
この家は完成した時が最高の時ではございません。無垢のフローリングは日焼けをし、ドアはアメ色に変わります。窓枠や二重ガラスの木製サッシも10年後、20年後には表情を変えアンティーク感が増している事でしょう。珪藻土は5年、10年後にはどんどん固くくなって石の様な壁になります。だからきっと十数年後にはもっとステキな住宅になっている事と思います。
私はこの三宅様邸の家づくりのお手伝いをさせて頂けた事を本当に感謝しています。三宅様のご家族皆様に選んで頂いた事は、私共の大きな自信となりました。この激動の建築業界のご時世の中、木造住宅三階建てで構造設計までして新築させて頂いた事は画期的な事であります。又、新建材を一切使用せす本物の素材にここまでこだわった家は、弊社の中でも数あるものではございません。持てるものは全て出し切って精一杯思いを込めて家づくりに取り組ませて頂きました。