DATA 物件情報
- 階 数
- 平屋
- 敷地面積
- 70.54坪
- 延床面積
- 20.03坪
- 施工期間
- 3ヶ月
- 完成日
- 2010年12月
A様は中学時代に野球部で共に汗を流した仲間でした。学年はA様が私より2年下で、私が3年生の時に1年生でした。今では共に家庭を持ち、お互いの子供が野球少年団で活躍するようになっております。ある日、子供達の野球の練習のお手伝いをしていた時、A様の方から「北村さん、ちょっと実家を見てもらえないですか」とご相談を受けました。早速その日のうちに現場を確認させて頂きましたが、築50年近く経っていた事もあり、建て替えの方向でお話しが進んでいきました。
そんな中、私が何より心を打たれたのは、A様は自分の住む家ではなく、現在住んでいらっしゃる所の隣にお母様が住むための家を建ててあげようと思っていらっしゃった事です。お母様は腰を患ってみえて、寒い時期になると痛みが増すという事でした。A様はその痛みを少しでもやわらげてあげられる様な、暖かい家を建ててあげたいとおっしゃってみえました。私はそんな心優しいA様の家造りのお手伝いができた事を、大変嬉しく光栄に思っております。
プランニングの最大のポイントは、お母様の動線を考え、階段を使用する事は無いものとして平屋で設計した所です。リビングは勾配天井とし、開放感溢れる空間となっております。室内の空気環境も考慮して新建材を一切使用せず、全て本物の自然素材のみで仕上げられた住宅となっております。建物内は東から朝陽がさんさんと降り注ぐ窓の配置となっており、東向きの玄関は道路側から直接見えない様に配慮しました。A様には何度もショールームに足を運んで頂き、正に二人三脚でデザインした外観は大変お洒落でモダンな仕上がりになっております。
「住宅性能評価」も受けており、住宅性能についても証明されております。現在、住宅の性能を計るには、国内ではこの「住宅性能評価」制度を受ける他に方法はございません。この制度には図面上での「設計評価」と呼ばれるものと、現場検査の伴う「建設評価」の2つがあります。A様邸は経済産業省独立行政法人新エネルギー機構より補助金を受けておりますので「設計評価」「建設評価」共に受けており、国の指定する評価機関からの証明を取得している事となります。
ハウスメーカーや工務店、建売業者に至るまで、全ての業者が自社の住宅は高断熱・高気密で省エネ、耐震性が高いなどと言われていますが、何を基準に高断熱・高気密・省エネ・耐震と言えるのかは、前記しました「住宅性能評価」を受けて全ての性能を数値化されたものだけが本物と呼べるわけです。